【時系列あり】ラッシュライフの感想・解説

今回は伊坂幸太郎さんの小説、「ラッシュライフ」について書いていきます。

この作品は結構初期の作品で、伊坂ワールドに入るきっかけとしてオススメできる作品ですし、自分もお気に入りの一冊で、ちょくちょく読み返してます。

後半にはネタバレを含みますので、未読の人は気を付けてくださいね!

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目次

ちょっとしたあらすじと解説

この小説は一人称視点で話が進んでいくんですが、その語り手となる主人公が4人いて、代わる代わる語り手が交代されながら話が展開していきます。伊坂さんの得意とする「群像劇」ですね。

謎のオーラを持つ泥棒宗教にはまる大学生不倫相手との再婚を企む精神科医リストラされた中年親父。この4人が今作の主人公たちなのですが、互いに面識はなく、作中でも深くかかわることはあまりありません。

しかし、4つの別個の人生が予想もしないところで交差し、意外なところで交わりあい、ピンチに陥る。意表を突くストーリーとセンスある引用、軽快なユーモアが読んでいるこっちをつかんで放しません。

また、読んでいると不自然なほどにエッシャーの「だまし絵」が作中の話題に上がるのですが、終盤、実はこの物語自体が「一枚のだまし絵」になっていることに気付かされます。二度読みたくなること間違いなし!

他作品との関連

他の物語のキャラが出てくるのをまとめました。

見落としがあったらぜひコメントしてね。

フィッシュストーリー

「動物園のエンジン」の中に、主人公の1人河原崎の、17階から飛び降り自殺した父親が登場します。

親父ギャグの好きな人物として描かれています。

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オーデュボンの祈り

今作にしゃべるカカシの話が出てきます

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黒澤が出てくる作品たち

黒澤は他の作品にたくさん登場するので、こちらのタイトルを付けてみました。

伊坂ワールドの準レギュラーにもなっている黒沢ですが、ほかの作品の「重力ピエロ」「フィッシュストーリー」「首折り男のための協奏曲」「ホワイトラビット」など、様々な作品に登場します。

とはいえ、友情出演が主で、黒澤がメインとなるものは少ないので、今作のようにメインになる作品はレアですよ(笑)

感想(ネタバレあり!)

読み終えて、一番好きになったのはリストラ親父の豊田でした。自棄になった京子からとっさにうす汚れた老犬を助けたり、拾った拳銃で強盗しようとして失敗したり、元上司を殺そうとするも黒澤にあったことでやめたりと、法を犯すこともしているのですが、つい応援したくなるキャラクターでした。

物語の最後に、自分になついた老犬とのどから手が出るほど欲しい仕事を天秤にかけた結果、老犬を取ってしまうところも好きです。そんな豊田にプレゼントを用意しているこの作者も好きです(笑)

「ラッシュライフ」から、僕はRush Life(忙しい人生)を連想したし、そのタイトルはすごい速さで展開するこの小説にもあっているな、と感じながら読んでました。でも、「ラッシュライフ」の解釈がいろいろと変わってきて、最後に Lush Life(豊満な人生)で締めくくられたときは何とも言えない読後感を感じ、幸せな気持ちになれました。

【超ネタバレ】時系列のまとめ

1日目 河原崎part

河原崎

塚本に喫茶店で会う。その時「尋ね人」のチラシ裏に絵をかいていた。

老犬を見る

白人女性のスケッチブックに、「力」を書く。

塚本のオープンカーでドライブして、その時塚本から宝くじを受け取る

父親の墓場で黒猫のミケを見かける

夜、再び塚本と会って、死体がある部屋で、塚本が解剖を始める。河原崎はそれを見てスケッチする

ボブ・ディランの曲が隣(黒澤の部屋)から聞こえてくる

過去に見た高橋の背中にあった火傷跡が、死体の背中にないことに気づく。

死体の左足の付け根に手術痕をみつけ、これは高橋の死体ではなく行方不明の男性の死体であるとわかる

とっさに塚本が付けたテレビには高橋が映っていて、「目を覚ましてほしい。私は生きています」と言う。

塚本は河原崎をバラバラ殺人の犯人に仕立て上げたことを認め、逆上した河原崎は塚本を殺害してしまう。

2日目 黒澤part

河原崎

行方不明の男性のバラバラ死体をスーツケースに入れる。

黒澤にドアを支えてもらい、塚本の死体を背負って部屋を出る

黒澤

朝、部屋を出る時に、酔いつぶれた友人(死んだ塚本)を背負った青年(河原崎)に会う。

河原崎が落としたくじを拾う

河原崎

黒澤と別れた後、混乱して、気づくと知らない人(佐々岡)に、さっきまでいたマンションの部屋に行ってくれと連呼する(佐々岡は実際は隣の黒澤のいる部屋に行った)

薄汚れた老犬に首輪をつける。

展望台に行き、エレベーターを待つ

黒澤

白人女性のスケッチブックに好きな言葉として「夜」を書く

若者から昨日の夜見たという高橋のニュースを聞く

ミケという名の黒猫が死んでいた。

舟木の部屋に泥棒(1回目)に入る

拳銃で脅してきた老夫婦から黒澤の前に襲った男(河原崎)がバラバラ死体を持ち歩いていたと聞かされる

自分の部屋で空き巣に入った大学の同級生の佐々岡と再開する

佐々岡の人生相談に乗る

同業者からの電話で、郵便局員になりすまして強盗する計画を聞く。

3日目 京子part

黒澤

佐々岡が妻(京子)の連絡先(病院の連絡先とプライベートの携帯番号)を黒澤に教え、心理カウンセラーになってみてはと勧める。

老犬の首輪に河原崎が落とした宝くじを入れる

前日黒澤に説得された佐々岡が、妻(京子)に電話し、離婚を申し出る。

佐々岡と展望台に行き、エレベーターを待つ

京子

青山がスケッチブックに「約束」と書いたことを聞く。

喫茶店に行く

スケッチブックに「心」を書く

男(黒澤)からまた電話がかかってくるも、プライベートの携帯にかかってきたことに少し怯える。

拳銃が入っているロッカーの鍵を落としてしまう

河原崎

塚本の死体を担いでいたら、誤って死体を轢かれてしまい、さらにトランクに積み込まれてしまう

京子

人を轢く(本当は轢かれる前に死んでる)

事故を隠すために死体をトランクに入れるが、2度も転がり出てしまうことに動揺を隠しきれない(青山の妻の仕業)

河原崎

慌てて追いかけてきて、ばれないように死体をトランクから出し、回収し、バラバラ死体をトランクに忘れていった。それを隠れていた青山の妻が広げる

京子

青山の家に着くが、トランクから出てきて歩くバラバラ死体(青山の妻)を目撃し、逃げ出してしまう

再び帰ってくると、実は青山は妻の味方で、二人して京子を殺害するつもりだったことが分かり、その場を後にする

4日目 豊田part

豊田

ベンチに1人座っている

スケッチブックに弱弱しく「無色」と書く

喫茶店に入るが、半額券が使えないといわれ、劣等感を感じる(←豊田だけ4日目だから)

狂い気味の女(京子)から老犬を助け、以後老犬と行動を共にする

(京子が落とした)ロッカーの鍵でロッカーを開け、拳銃を手に入れる

京子

展望台から飛び降りようと考えエレベーターを待つ

結局失敗。

豊田

豊田:郵便局に強盗に入るが、郵便局員(黒澤の同業者)が逃げ出してしまったことに唖然とする

転んでしまったことで強盗にも失敗する

3人の若者に襲われ、拳銃を使い逃げる

道端で井口と再会し、自分が舟木にだまされたことに気付く。

後輩に電話をかけ、リストラされたのにも関わらず昔と同じように慕ってくれる後輩に感動する。

舟木を家に帰らせるため、舟木に泥棒が入っていると嘘の電話をする(本当に泥棒(黒澤)が空き巣に入っていた)。

死体が千切れてくっつくという女子高生の話を聞く

舟木を撃とうとしたが、落ち着いた雰囲気の泥棒(黒澤)と、泥棒に慌てふためく舟木を比べて撃つ気を無くす

若者たちから復讐され、逃げている間に河原崎に助けてもらう。

新幹線のホームで、戸田の申し出を断る。

白人女性のスケッチブックにもう一度書いてもいいか尋ね、好きな言葉として「イッツオールライト」と書く

老犬の首輪に挟まっている宝くじに気付く

展望台に行き、エレベーターを待つ

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